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薪ストーブ入門

日本における薪ストーブの市場

日本での薪ストーブ年間販売台数 約1万台(2013年現在)
※日本暖炉薪ストーブ協会調べ 輸入ストーブのみの台数

薪ストーブが見直されてきています!

  • ・価格が不安定な化石燃料に頼らない生活
  • ・間伐材の利用により、森林再生に貢献
  • ・カーボンニュートラルにより、二酸化炭素を増やさない ※1
  • ・電気不要、煙突のドラフト(上昇気流)のみで燃やす
  • ・万一の時のライフラインとしても利用できる ※2
※1 カーボンニュートラルとは?

薪ストーブの煙から排出されるCO2は、植樹された森林や植物が光合成の過程で吸収します。それにより地球上のCO2が増えない、±0であるという考え方を「カーボンニュートラル」といいます。
地球温暖化が叫ばれている昨今、エコやグリーンな活動の一環として、薪ストーブが地球に優しいと注目されています。

※2 ライフラインとしての薪ストーブ

2011年東日本大震災の際、被災地では電気・ガス・水道のライフラインが全て寸断されました。その際に、薪ストーブを入れていたご住宅に近隣の方が集まり、暖をとり、薪ストーブの灯りを頼りに料理を作り、互いに支え合い励まし合ったという話があります。煙突のドラフトのみで燃やすことのできる薪ストーブは、燃料の木材さえあればいつでも使用することができるのです。

薪について

薪ストーブの燃料は広葉樹が理想的と一般的に謳われていますが、基本的に針葉樹・広葉樹ともに燃やせます。アメリカやヨーロッパでは森林の多くは針葉樹のため、当然針葉樹を燃やすことも前提に製造されています。
広葉樹が理想的といわれるのは、針葉樹と比べると密度が高く、燃焼時間が長いからです。
また、針葉樹は油分を多く含む樹種が多く、広葉樹と比べると乾燥期間を長く必要とします。燃やした際も煤(すす)やタールが付きやすいため、メンテナンスの手間が多少変わってきます。
一方で、針葉樹は焚き付け材としてはとても優秀です。焚き付け材とは、ストーブに火入れをする際に使用する細く割いた薪で、一般的には油分の多い針葉樹が使用されています。針葉樹を薪として使用する際は、広葉樹よりも火力が強くなる傾向がありますので温度管理に注意しましょう。

広葉樹と針葉樹の比較

薪ストーブの基礎知識

薪ストーブは、電気を使わず煙突内で発生するドラフト(上昇気流)のみで火を起こす暖房機器です。本来住宅をまるまる1棟を暖めることを目的として製造されているため熱出力が高くなっています。
薪ストーブの利用頻度・デザイン・予算・調理の有無・設置場所 など、お客様のライフスタイルに薪ストーブがどう組み込まれていくのか、色々な視点から考えてみましょう。

薪ストーブと暖炉の違い

薪ストーブは別名フリースタンディングと呼ばれ、本体と煙突を室内に露出した状態で設置します。本体から発する輻射熱で部屋を暖め、暖房効率や燃費の良さが特徴です。
暖炉は別名ファイヤープレースと呼ばれ、本体を壁面に埋め込んで設置し、煙突は煙突囲いを設け一切露出させません。居住空間のスペースを広く確保して設置できるのが特徴で、焚いている裸火の熱で部屋を暖め、独特の強い炎のゆらめきを楽しめます。

鋳物製と鋼板製の違い

鋳物は溶かした鉄を型に流し込んで成型し、鋼板は鉄板を加工して成型します。一般的に、鋳物製は「熱しにくく冷めにくい」、鋼板製は「熱しやすく冷めやすい」と言われています。
そのため、暖まるのに時間がかかっても長時間熱を発することから、鋳物製は自宅などで主暖房として使用する場合に、別荘地など使用時間や頻度がある程度限られる場合は、短時間で効率よく楽しめるよう鋼板製が好まれる傾向にあります。

暖房面積

各メーカーで提示している最大暖房面積は、「薪ストーブに最適な環境を整えたうえで計測された最大の数値」であるため、それがお客様のご住宅に必ずしも当てはまるというわけではありません。
そのため、目安として「最大暖房面積の7~8割の数値」=「暖めたい部屋の総面積」となるように考えましょう。
吹き抜けに設置する場合、吹き抜け部分は約2倍の面積と計算します。その他、寒冷地や山間部などは多少面積に余裕を持った機種選びがポイントとなります。

薪ストーブのサイズ選び

一般的物事には「大は小を兼ねる」とよく言われますが、薪ストーブにはそれが当てはまるとは限りません。薪ストーブは本体を暖め続けるための最低火力が必要ですが、住宅に対して大きすぎるストーブを導入すると、すぐに部屋が暑くなりすぎてしまいます。そして、暑いからといって火力を抑えると本体が最低火力を下回り、すぐ本体が冷える温度になってしまうため最適な温度を保つことが難しくなるのです。住宅の構造や間取り・設置地域等にもよりますが、一般的には「暖めたい部屋の総面積で導入できる機種が限定される」とお考えください。
しかし、中には触媒を使ったストーブのように、低温でも2次燃焼を維持でき、通常は弱火で、いざというときは強火で焚くことのできる機種もあります。

煙の逆流

薪ストーブは燃焼用の空気を室内から得ています。ストーブ使用中に換気扇等を使用すると、室内からの排気量が給気量を一時的に上回り、室内の気圧が屋外より低くなる「負圧」という現象が起きることがあります。
空気は気圧の高い方から低い方へ移動する性質を持っているため、負圧が起きると煙突が一時的に給気口の役割を果たし、煙突内の煙が逆流します。逆流するとストーブの火室内が曇ったり扉の隙間から煙が室内に入ってきます。
負圧は気圧の逆転が原因なので、ストーブ付近の窓を開け、室内に空気を取り入れればすぐに逆流は収まります。
窓を開けても収まらない場合は負圧以外のことが原因となっている可能性が高いので、煙突等が詰まっていないか確認する必要があります。
負圧は住宅や製品の欠陥等ではなく、自然現象として起きてしまうものなので、どのような住宅であっても起こる可能性があります。

住宅の気密と外気導入の関係

近年、高気密住宅が増えてきました。一般的に普及している第3種換気(自然給気&強制排気)の場合、高気密住宅は一般住宅に比べ自然給気の力が弱く、負圧になりやすい傾向があります。そのため薪ストーブには、燃焼用の空気をストーブ本体の給気口からダクトを用いて直接屋外より取り入れる「外気導入」という仕組みを取り入れることが近年では特に増えてきています。しかし、外気導入を取り入れても必ず負圧がなくなるわけではありません。高気密住宅では負圧による煙の逆流が頻繁に起きることが容易に考えられますので、その頻度を下げることを目的としています。
また、温かい室内の空気を使用する場合と違い、外気導入は屋外の冷たい空気を燃焼に使用しますので、熱効率が若干下がることが考えられます。そのため、外気導入は高気密住宅の際にご提案・導入することがほとんどで、一般住宅の場合はむしろ室内給気の方が良い場合もあります。
尚、第1種換気(強制給気&強制排気)の場合は、比較的給気量が多く見込めるため、負圧は起こりにくいとされています。

燃焼方式

煙は、一般的に600℃を超えると再度燃焼します。煙を再度燃やすことを二次燃焼・三時燃焼といい、それを促す仕組みが燃焼方式です。燃焼方式によってさまざまな特徴があります。
火入れから二次燃焼が開始されるまではどんな薪ストーブであっても煙は出ます。二次燃焼・三次燃焼が始まると煙がほぼ燃えきった状態で排出されるので、真夏の陽炎(かげろう)のようなほぼ透明の揺らめきが見える程度です。

・クリーンバーン

火室内に高温の空気を送り込み、二次燃焼を促す仕組みです。火力調整用の空気とは別に、チューブなどを通って高温になった空気を火室内へ直接送り込んで煙を燃やします。

・クロスフロー(クリーンバーンの進化系)

セラミック製の耐火レンガと燃焼ボックスを用いて二次燃焼・三次燃焼を促す仕組みです。火室内奥に設置されたセラミックレンガにより高温になった空気が送り込まれて煙を燃やします。更に、残った煙はセラミックレンガの奥に内蔵されている燃焼ボックスで滞留するようになっており、その間に隣接しているセラミックレンガの熱を利用して三時燃焼を促します。

・触媒

触媒を使用して二次燃焼を促す仕組みです。煙が触媒を通過する際に触媒表面に塗布されたパラジウム・ロジウムなどの貴金属が化学反応を起こして一気に煙を高温化させます。触媒自体が260℃を超えると二次燃焼を始めることから、クリーンバーンよりも二次燃焼がより早く促され、煙の排出が少なく熱効率も高まります。ストーブの温度が下がってきても、触媒の温度が260℃を下回らない限り二次燃焼が続くので、クリーンバーンに比べ長時間二次燃焼状態が維持されます。

・ハイブリッド(クリーンバーン + 触媒)

クリーンバーンと触媒を併用して二次燃焼・三次燃焼を促す仕組みです。火室内で発生した煙はまずクリーンバーン用のチューブから送り込まれる高温の空気で二次燃焼が促され、更に残った煙は火室内上部に設置された触媒を通ることにより三時燃焼が促されます。

ダンパーの効果

薪ストーブは、火入れ~二次燃焼が開始するまで必ず煙が発生します。
そのため、なるべく早く薪に火がまわり、ストーブが暖まることが重要です。ダンパーは煙の流れを変えるパーツで、火入れの際に薪に火がまわるのを助け、薪の追加投入時も煙が室内に流れるのを防ぎます。
ダンパーは、火室内と煙突を繋ぐ部分にあり、ダンパーを開けると煙突に直接煙が流れるようになっています。
煙突と火室を直接繋ぐことにより、火室内で通常よりも強いドラフト(上昇気流)が得られるため、着火も容易で薪にも短時間で火がまわるようになります。
薪にしっかり火がまわったらダンパーを閉め、二次燃焼を開始する温度になるまでストーブ本体に蓄熱させます。(二次燃焼時はダンパーは閉めたままで使用します)
薪の追加投入時は、事前にダンパーを開けてから扉を開けることで、煙突に向かう強いドラフトにより火室内の煙が室内に入ってくるのを防ぎます。

故障の原因

薪ストーブの故障の原因は、そのほとんどが「焚きすぎ(=温度の上げすぎ)」と言われています。一般的にはメラメラと炎が立っている時が温度が高いのではと思われがちですが、本来は炎が立った後、薪が崩れて赤々となっている「熾火(おきび)」の状態が一番温度が高いのです。熾火の時は、赤もしくは青っぽい小さな炎がゆらゆら立っているだけの状態となります。
火室内の温度は、一般的にストーブ表面温度の2~2.5倍と言われています。炎が立っていないからと次々に薪を追加していくと、火室内部の温度が上がりすぎ、歪みやひび割れなどの原因となります。薪ストーブ用の温度計を使用し、適切な温度(ストーブ表面温度で約200~300℃前後)で管理しましょう。

メンテナンス

1年に1回を目安に、本体・煙突ともにメンテナンスをしましょう。一般的にはガスケット・触媒は3~5年置きに交換するのが目安となります。
ガスケットとは、本体の密閉度を高めるためドアなどの開閉部分に付いている、ひも状のグラスファイバーです。
ガスケットは開閉が多くなってくると、徐々に固くなり密閉度が低くなってきます。紙を挟み込んだ状態で扉を閉め、紙が簡単に引き抜けるようであれば交換の目安となります。

・煙突

どんなに状態の良い薪を使用しても、必ず煙突内には煤(すす)やタールが付着します。また、乾燥が不十分な薪を燃やすと、薪に含まれる水分やヤニが燃焼する過程で黒褐色のクレオソートという物質が発生しやすくなり、火室内や煙突内部に固着します。
メンテナンスをせずに放置しておくと、それらが堆積して煙突の内径を狭めていき、ドラフトが弱まります。薪ストーブはドラフトが弱くなると煙がうまく排出されなくなるので、煙が逆流しやすくなります。煤やタール・クレオソートは可燃性のため、放置は危険です。
煙突をメンテナンスする際は、煙道内の他に煙の排出口であるトップ部分もしっかりきれいにしましょう。

・本体

オフシーズンになったら、火室や灰受け皿に溜まったままの灰をできる限りきれいに取り除きます。灰は水分を吸収しやすく、放置しておくと錆びの原因となります。
日本の気候は湿気が多いため、雨の多い年や室内が湿気た状態が長期間続くと、空気中の水分と反応し本体が錆びることがあります。錆びた場合は金属ブラシや紙やすりを使って錆を擦り落とし、研磨材等で表面を磨いたあと専用のスプレーを吹きかけることできれいになります。

煙道内火災

煙道内に付着した煤やタール・クレオソートなどに火が付くことを煙道内火災といいます。煙道内が非常に高温になり、家屋にダメージを与える危険性があります。また、煙道内火災が起こった煙突は内部が破損することがあり、その場合は煙突を交換する必要があります。

クッキング

最近では、薪ストーブで料理を楽しむ人が増えてきました。天板・火室内・灰受け皿はそれぞれ温度が異なり、それにより適している料理も違ってきます。来客時のちょっとしたパフォーマンスとして利用するのも楽しみのひとつです。薪ストーブでの料理は、基本的にシンプルで素材を生かしたものが多いです。自分なりの火力の感覚をつかみ、暖房としてだけではない薪ストーブの魅力を楽しんでください。
薪ストーブで料理をする際は火傷やケガに気を付けましょう。特に火室内はかなり高温になっていますので、必ず革製のグローブを使用してください。

・天板

薪ストーブは、機種により違いはありますが、おおよそ本体の表面温度が200~250℃まで上がります。直火でいうと弱火~とろ火くらいの火力のため、天板部分は煮込み料理に最適です。鍋やヤカン等を置いておくと、じっくりと遠赤外線効果で素材の芯まで火が通り、ガス器具を使用した場合より味が染み込みやすく柔らかくなると言われています。天板での調理の場合は、普段使用している調理器具をそのまま使用できます。
調理例:ポトフ・ミネストローネ・おでん など

・火室内

火室内での料理は、基本的に熾火になってから行います。熾火状態での火室内の温度は400~600℃にのぼり、非常に高温です。火傷やケガ防止のため、調理の際は必ず革製のグローブを使用してください。
熾火の上に鋳鉄などでできた専用の五徳を乗せ、その上にダッチオーブン等を置いて調理します。専用の五徳がない場合は、耐火レンガを熾火の上に直接乗せることで五徳代わりになります。
熾火の量や分散のさせ方(片側に寄せたりなど)で火力が変わりますので、感覚をつかみながら楽しみましょう。
調理例:ピザ・ローストビーフ・炊き込みご飯 など

・灰受け皿

火室内よりも適度に温度の下がった灰受け皿では、天板と火室内の中間くらいの温度になります。
灰受け皿にある程度の深さがある機種では焼き芋などを焼くこともできます。火室だと温度が高すぎて焦げてしまうことが多いですが、熾火に直接触れず適度に高温が保たれた灰受け皿では、しっとりとホクホクな焼き芋が楽しめます。
灰受け皿で調理をする際は、なるべく灰が直接触れないよう、濡らした新聞紙やアルミ箔で包むようにしてください。
調理例:焼き芋・ベイクドポテト など

薪ストーブで家全体を暖めるためのプランニング

薪ストーブは本体の全面から熱を発するため、家の中心に設置するのが最も熱効率が良く理想的ですが、敷地面積が狭い・部屋が細かく分かれている等の日本独特の住宅事情から、壁面に沿って設置するパターンが多い傾向にあります。
設置する場所によって暖まり方が違ってきますので、まずはどのお部屋を暖めたいのか、薪ストーブの他に暖房器具を設置するのかを確認しましょう。

熱の伝わり方

暖気は上昇する性質を持っています。住宅の間取りやストーブの設置場所によって暖まり方が違ってきますので、効率よく部屋を暖められるようにしましょう。

煙突のプランニング

薪ストーブは煙突のプランニングが一番重要です。きちんとしたプランニングをしないと、ドラフトが弱まってしまい薪ストーブ本来の力が発揮されません。
煙突を立ち上げる際には屋根抜き・壁出しの2種類の方法があります。本来、煙突はドラフトの流れを阻害しないよう曲がりない真っ直ぐの立ち上げが理想のため、新築へ設置する際は屋根抜きが多く、リフォーム時は屋根貫通施工よりも壁貫通施工の方がコストが抑えられるため、壁出しが多い傾向にあります。
煙は、煙突を通っていく間に徐々に温度が低くなり煤やタールに変化していくため、なるべく煙の温度を維持した状態で排出することがポイントとなります。そのため、ストーブ本体の口元より2.5m以上の部分、または1階天井の貫通部分より上は全て二重断熱煙突を使用し、必ず屋根上まで煙突を伸ばす必要があります。

屋根抜きの仕様

  • 角トップ
    煙突囲いを造作し、
    角型のトップを付ける。

  • チムニー
    煙突囲いを造作し、
    煙突を露出させる。
    ※煙突の高さを出す場合に有効
  • フラッシング
    浸水防止のフラッシングを設置し、
    煙突を露出させる。


内装制限

薪ストーブは、ここ30年程で急速に日本に普及してきました。それまで薪ストーブには明確な法規制がなく、従来の建築基準法である「火気使用室」に準じていました。内容は「設置する空間全てを不燃材仕上げとしなければならない」という実現化にコストがかかるなどの難しい内容のため、薪ストーブを設置する際は建築審査後に本体を設置するケースが数多くありました。世界的にみると日本は薪ストーブ後進国であり、薪ストーブを設置することを想定した法律がきちんと定められていなかったのです。

その為、薪ストーブ関連業界では国へ幾度となく法改正の要望を行なってきました。その尽力が実り、平成21年4月、国土交通省告示第225号「準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める告示」、通称「内装制限の緩和」が施行されました。薪ストーブに対しては、定められた計算式によって算出された可燃物燃焼範囲だけを特定不燃材で施工すれば、他の部分は木材等の仕上げも可能になったのです。

しかし、国が提示した可燃物燃焼範囲は薪ストーブ先進国の法律と比べてもかなりの広範囲となっており、引き続き現在も国へ内容の変更を要望しています。

「内装制限の緩和」概要

1.適用対象となる火気使用室
● 一戸建て住宅における火気使用室に限る。
  • ※本告示は着火抑制性能に着目した技術基準であるため、着火後の急速な延焼拡大を防止する観点から、不特定多数の者の避難が想定される用途・規模の建築物や可燃物を多量に集積する車庫等については、本告示の適用対象外とした。
  • ※なお、一戸建て住宅であっても、住宅以外の用途に供する部分の面積が大きい兼用住宅、無窓居室を有する住宅は、本告示の適用対象外としている。
2.適用対象となる火気使用設備
● 加熱の状況が比較的よく把握できており、かつ、ログハウス等の木材を内装に使用している一戸建て住宅において一般的に用いられる火気使用設備として、こんろ、固定式ストーブ、壁付暖炉、いろりに関する技術基準を整理し、本告示の適用対象とした。
3.規制の概要
● 火気使用室は、火災の発生の危険性が特に高い室であることから、避難安全性を確保すると同時に出火の危険性を低減するため、内装制限の適用対象となっている。【令第128条の4第4項】
● 現行基準においては、火気使用室全体の内装を準不燃材料とすることとしている。【令第129条第6項】
● 本告示は、火気使用設備周辺とそれ以外の部分における着火リスクの違いに着目し、火気使用設備周辺については不燃材料による内装の強化や遮熱板の設置等の措置を要求する代わりに、それ以外の部分については木材や難燃材料による内装を許容するものとした。
● なお、本告示は、令第129条第1項第2号ロにおいて規定する「(準不燃材料でした)仕上げに準ずるものとして国土交通大臣が定める方法により国土交通大臣が定める材料の組合せ」として制定するものである。

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